名古屋の創業融資【2025年版】公庫と保証協会の違いは?PayPay銀行の現状も解説

複雑な選択肢の中から、最適なルートを照らし出すモチーフ
名古屋の創業融資【2025年版】公庫と保証協会の違いは?

これまで1,000件以上の創業相談を受けてきた税理士の佐治英樹が、名古屋で小売業や無店舗サービス業を始めた方向けに「信用保証協会付き融資」を日本一やさしく解説します。

「来店不要・24時間申込OK」でPayPay銀行のオンライン融資が最近話題となっています。とても魅力的ですが、現時点では「東京都内に事業所がある事業者」が対象です。そのため、名古屋市内だけで事業を営む方は、残念ながら実質的に利用できません。(※例外として、名古屋の法人でも東京都内に支店や営業所がある場合は相談の余地があります。)

「じゃあ、名古屋の自分には関係ないのか…」

ご安心ください。この記事では、名古屋の皆さんが今すぐ動ける現実的な選択肢として「日本政策金融公庫(公庫)」「信用保証協会付き融資」の使い分けを徹底解説。必要書類から、審査で落ちやすい理由とその回避策まで、すぐに使える一枚の比較表チェックリストにまとめました。

ここで解説する資金調達の基本を押さえておけば、将来PayPay銀行のサービスが名古屋で利用可能になった際にも、他の選択肢と冷静に比較し、ご自身にとってベストな一手を選べるようになります。

※本記事の対象読者について

本記事は、一般的な小売業、サービス業、無店舗ビジネスの方向けに執筆しています。飲食・理美容・クリーニング等の「生活衛生関係営業」や、保育・介護・福祉等の「ソーシャルビジネス」に該当する方は、公庫に別途、条件が優遇される専用の融資制度がありますので、ご注意ください。

 

まずは全体像:名古屋で使える主な融資の選択肢

「融資」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、選択肢は大きく分けて4つです。名古屋で創業1年目の方が、実際にどの順番で検討することが多いか、という「現実的な到達順序」も目安として示しました。

評価軸 ① マル保(信用保証協会付き) ② マル経(商工会議所経経由) ③ 公庫(日本政策金融公庫) ④ プロパー融資(銀行独自)
ひと言でいうと 「公的な保証人」付きで借りやすい王道 小規模事業者のための無担保・無保証の切り札 国が100%出資する、創業者に優しい金融機関 銀行との信頼関係で勝ち取るオーダーメイド融資
借りやすさ(難易度) 低〜中
保証料 必要 不要 不要 不要
名古屋での到達順序 2番手 3番手 最初の本命 将来のゴール

※補助金や市・県の制度融資を併用する場合は、最初から①マル保を利用することもあります。

全体の地図が頭に入りましたね。創業期の名古屋では「公庫」、次に「マル保」が現実的な選択肢だとわかりました。次の章では、その「マル保」の仕組みを詳しく見ていきましょう。

マル保(信用保証協会付き融資)を超やさしく解説

「マル保(まるほ)」とは、信用保証協会という公的な機関が「保証人」になってくれることで、銀行から融資を受けやすくする制度です。

名古屋(愛知)での進め方

名古屋でマル保を利用する場合、事業所の場所によって「名古屋市信用保証協会(市保)」または「愛知県信用保証協会(県保)」の保証を受けることになります。申込は取引のある金融機関経由で行うのが一般的ですが、名古屋市や愛知県が実施する「制度融資」と組み合わせることで、金利や保証料の負担が軽くなる場合があります。

名古屋のマル保には「市保」と「県保」の2種類あり、自治体の制度融資と組み合わせるのがお得だと分かりましたね。次は、もう一つの有力な選択肢「マル経」です。

マル経(小規模事業者経営改善資金):無担保・無保証の切り札

「マル経(まるけい)」は、商工会議所や商工会で経営指導を受けている小規模事業者向けの融資制度です。最大の魅力は、無担保・無保証人で、なおかつ低金利である点です。

利用するための条件

  • 原則として1年以上、商工会議所の管轄地区内で事業を行っていること
  • 商工会議所の経営指導を原則6ヶ月以上受けていること
  • 従業員数が商業・サービス業では5人以下、製造業その他では20人以下であること

創業してすぐには使えませんが、「1年後にはこんな選択肢もあるんだ」と知っておくと心強い制度です。日頃から地域の商工会議所との関係を築いておくことが鍵になります。

マル経は無担保・無保証が魅力ですが、利用には商工会議所の指導が前提となることが分かりました。では次に、創業時に最も頼りになる「公庫」を詳しく見ていきましょう。

日本政策金融公庫(公庫):長期・創業枠に強い本丸

公庫は、国の政策に基づいて、中小・小規模事業者を支援するための金融機関です。特に創業期の事業者に対して非常に協力的で、まず最初に相談すべき相手と言えるでしょう。

公庫が創業者に優しい理由

  • 実績より計画を重視: 現在の主力制度である「新規開業・スタートアップ支援資金」では、しっかりとした事業計画を評価してくれます。
  • 長期の返済期間: 運転資金で原則10年以内、設備資金なら最長20年以内といった長期の返済設定が可能で、毎月の返済負担を軽くできます。(※それぞれ据置期間も設定可能)
  • 保証料が不要: マル保と違い、保証料がかかりません。

書類の準備や面談など、手間はかかりますが、その分、低金利で長期の安定した資金を確保できる可能性が高い、非常に頼れる存在です。より詳しくは、公庫の公式サイト「創業融資のご案内」もぜひご参照ください。

公庫は創業時の「本命」であり、事業計画をしっかり作れば長期・低利の融資が狙えると分かりました。

プロパー融資:いつ狙う?どんな決算が目安?

「プロパー融資」とは、信用保証協会の保証をつけず、銀行が100%自らの責任で実行する融資のことです。

保証がない分、銀行にとってはリスクが高くなるため、審査のハードルはぐっと上がります。しかし、その分、金利や融資額、返済期間などを柔軟に交渉できるメリットがあります。

プロパー融資を狙える目安

  • 創業2〜3年以上が経過し、黒字決算が続いている
  • 売上が安定し、資金繰りに余裕が見られる(急な資金ショートがない)
  • 銀行との取引実績(入出金、給与振込など)が豊富

今すぐ狙うものではありませんが、「いずれはプロパー融資を受けられるくらい、強い財務体質の店にする」というのを、将来の目標として設定しましょう。

プロパー融資は銀行との信頼関係の証であり、事業が軌道に乗った先の目標であることが分かりました。ここで改めて、話題のPayPay銀行の位置付けを確認します。

PayPay銀行の「オンライン申込」は今どこまで?

「来店不要」「24時間申込」という手軽さで注目を集めるPayPay銀行の信用保証協会付き融資ですが、2025年10月現在、取扱いは「東京信用保証協会」の保証を受けられる事業者、つまり「東京都内に事業所がある事業者」が対象です。

そのため、名古屋市内だけで事業を営んでいる方は、残念ながら実質的に利用できません。

将来的に対象地域が拡大される可能性はありますが、まずは公庫や名古屋のマル保を軸に、現実的な一歩を踏み出すのが賢明です。

PayPay銀行のオンライン融資は、現時点では名古屋で使えないことが明確になりました。今できる現実的な選択肢に集中することが重要ですね。次は、審査でつまずかないための最も重要な知識です。

審査で落ちやすい理由トップ5と、即日でできる回避策

融資の審査で落ちてしまうのには、必ず理由があります。特に創業期にありがちな5つの落とし穴と、今日からできる対策をまとめました。

  1. 資金繰り表がない(お金の流れが不明)
    なぜ落ちる?:いつ、何に、いくら必要で、どう返していくかの計画が見えないため、「どんぶり勘定」と判断されます。
    回避策:簡単なもので良いので、今後1年間の売上予測、原価、人件費、家賃などの支出をまとめた表を作成しましょう。
  2. 自己資金が少ない(計画性が不明)
    なぜ落ちる?:自己資金が0円でも申込自体は可能ですが、計画的に準備できない人と見なされ、説得材料が減ってしまいます。
    回避策:総事業費の1/3程度あると話がスムーズに進みやすいのは事実です。必須ではありませんが、通帳の履歴でコツコツ準備してきた過程を見せることが信用の証になります。
  3. 事業経験や業界知識が乏しい(実現性が不明)
    なぜ落ちる?:開業する事業の経験が全くないと、計画の実現性を疑問視されます。
    回避策:これまでの職務経験と、開業する事業との関連性をしっかりアピールしましょう。知識が不足している部分は、専門家と連携している姿勢を見せることも有効です。
  4. 個人信用情報に傷がある(信頼性が不明)
    なぜ落ちる?:過去にクレジットカードやローンの延滞があると、「お金にルーズな人」というレッテルを貼られてしまいます。
    回避策:過去に不安がある方は、事前にCICなどの信用情報機関で自身の情報を確認しておくと、面談で説明しやすくなります。
  5. 税金や社会保険の未納(公的義務の不履行)
    なぜ落ちる?:納税は国民の義務。それを怠っている人に、公的な資金は貸せません。
    回避策:未納があれば、申し込みの前に必ず完納しましょう。分納中の場合は、その旨を正直に伝え、誠実に対応していることを示します。

審査で落ちる理由には明確な原因があることが分かりました。特に「資金繰り表」と「自己資金」の準備が重要ですね。

名古屋での最短ルート:5分判定フローチャート

ここまで読んできて、「結局、自分はどこに相談に行くのが一番早いの?」と感じているかもしれません。以下の簡単なチャートで、あなたの現在地に最適な相談先を見つけましょう。

【名古屋・創業者向け 5分判定フローチャート】

Q1. 開業資金の準備をこれから始める段階ですか?

  • はいまずは公庫の「創業相談」へ。 事業計画の立て方からアドバイスをもらえます。
  • いいえ(自己資金はあり、計画もある)Q2へ

Q2. 自己資金はどのくらいありますか?

  • 総事業費の1/3以上ある公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」が本命。 計画に説得力が増し、スムーズに進みやすいです。
  • 1/3未満だが、計画的に貯めてきた公庫に申込可能です。 自己資金要件は撤廃されているので、事業計画の具体性や熱意でカバーしましょう。
  • 自己資金がほぼないまずは自己資金を貯めるか、計画をより綿密に練り直すのが先決。 なぜ自己資金なしで事業が成功できるのか、説得力のある説明が求められます。

Q3. すでに事業を始めていて、追加の運転資金が必要ですか?

  • はい取引のある金融機関に「マル保」で相談するのが基本ルート。 決算書や試算表を持参しましょう。
  • いいえ(創業前)Q1, Q2に戻る

Q4. 商工会議所の会員で、経営指導を6ヶ月以上受けていますか?

  • はい「マル経融資」が使えないか、商工会議所に確認を。 低金利のチャンスです。
  • いいえ公庫やマル保が現実的な選択肢です。

ゴールが見えてきましたね。このフローチャートを参考に、次に自分が取るべき一手(予約・書類準備・相談)を具体的に決めましょう。最後に、よくある質問をまとめました。

よくある質問(FAQ)

Q. PayPay銀行のオンライン融資は、本当に名古屋では使えませんか?

A. はい。2025年10月現在、東京都内に事業所がある事業者が対象です。名古屋だけで事業をされている方は、実質的に利用できません。本記事で紹介した「公庫」や「マル保」が現実的な選択肢となります。

Q. 経営者保証は外せますか?

A. 条件を満たせば外せる可能性があります。「①法人と個人の資産・経理が明確に分離されている」「②財務基盤が安定している」「③金融機関への情報開示が適切に行われている」の3つの要件を満たす準備を進めましょう。

Q. 審査にはどれくらい時間がかかりますか?

A. あくまで目安ですが、公庫で3〜4週間、マル保で1ヶ月〜2ヶ月程度かかることもあります。書類の完成度や、年度末などの繁忙期によっても変動するため、開業の2〜3ヶ月前には動き出すと安心です。


名古屋で小売・サービス業を開業した方へ。資金調達の現実的な選択肢は「公庫」と「信用保証協会付き融資」です。本記事では、現在東京限定のPayPay銀行オンライン融資との比較を交え、名古屋での最適なルートを解説。自己資金要件の最新情報や、審査を有利に進めるための必要書類リスト、具体的な回避策まで網羅しています。

参考資料

  1. PayPay銀行|東京信用保証協会とのオンライン保証付融資開始のお知らせ
  2. 名古屋市信用保証協会|保証制度のご案内
  3. 日本政策金融公庫|創業融資のご案内(新規開業・スタートアップ支援資金)
  4. 日本政策金融公庫|マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
  5. 中小企業庁|経営者保証に関するガイドライン
  6. 創業手帳|日本政策金融公庫「新創業融資制度」廃止について

当記事の品質と信頼性について

この記事は、AIを高度なリサーチ・アシスタントとして活用し、最新の情報を収集・整理した上で作成されました。内容の正確性については、当記事の監修者である税理士 佐治英樹が責任を持って確認しております。

著者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。

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