規制の壁を超えて挑戦する!グレーゾーン解消制度とサンドボックス制度の活用ガイド
起業を考えているときや、新しいサービスを始めようとするときに、法律や規制が気になって一歩踏み出しづらく感じる方はいらっしゃいませんか。すでに似たアイデアがあっても、どこが境界なのかわからず、不安を抱えるケースが特に日本では多いようです。本記事では、そうした悩みをかかえる方へ、グレーゾーン解消制度と規制のサンドボックス制度という二つのしくみをやさしくご紹介します。
不確実なルールを明確にしつつ、思いきって実験できる方法がわかると、ビジネスの可能性はぐっと広がります。専門家でなくても理解しやすいよう、基本の考え方をていねいにまとめました。読んでいただくことで、起業や新事業を迷わずスタートできるきっかけになり、思わぬチャンスをつかむヒントになるかもしれません。

グレーゾーン解消制度と規制のサンドボックス制度は、ともに規制改革の一環として用意された仕組みです。どちらも難しそうな印象がありますが、知っておくと「今の法律でははっきりしない点」や「新しいテクノロジーを試したいのにルールが邪魔になる点」を整理できるようになります。ただ、それぞれの特長を区別せずに理解しようとすると、かえって混乱するかもしれません。
そこで本記事では、まずグレーゾーン解消制度からご説明し、次にサンドボックス制度を解説します。最後に、この二つの制度のちがいや使いどころをまとめますので、もし気になる点があれば読み比べながらご自身の事業に当てはめてみてください。
補足として、国の規制改革の考え方は「全国単位」「地域単位」「事業者単位」という三層構造で進められています。ですが、この記事では全国や地域全体という広い視点はあまり扱わず、「事業者単位」で行える特長的な仕組みのうち重要なものだけにしぼってお伝えします。必要以上に制度を並べ立てずに、まずはこの二つを理解してみてください。
グレーゾーン解消制度
グレーゾーン解消制度は、「現行法の解釈がはっきりしない分野」に対して事前に確認を求める制度です。規制対象なのかどうかが定まっていないままだと、思いきった投資や開発をするのはむずかしくなります。この制度を使えば、不透明な部分を白黒はっきりさせることができ、安心してサービスや製品をつくり始められます。
このしくみは、令和6年12月末までに315件以上の回答実績が報告されており、ヘルスケアやモビリティなど多彩な領域で利用されています。まだあまり知られていないようですが、実は多くの事業者が活用しているのです。
グレーゾーン解消制度の流れ
- 事業計画をつくる
事業の目的や概要、対象となる利用者層、想定リスクを整理し、どの法律に関わりそうかを明確に書き出す。 - 主務大臣へ確認を求める
規制を管轄する省庁や実務担当部局に申請し、解釈の不明点を問う。 - およそ1か月程度で回答を受ける
原則1か月以内に「法律適用の有無」が通知される。遅れる場合は理由も連絡される。
こうしたプロセスにより、「自分のビジネスが法律にふれるかどうか」をはっきりさせられます。回答結果が得られると安心感が増し、投資判断なども進めやすくなるでしょう。
グレーゾーン解消制度のメリット
- リスクを明確化できる
- 先行投資に踏み出す判断がしやすい
- 行政担当部局とのコミュニケーションルートを確立できる
例としては、眠りに関する健康アドバイスが医療行為にあたるかどうかを尋ねたケースなどがよく引用されます。おそらく専門家でも判断が難しいグレーな部分が、照会を通じてスッキリ整理されたのです。
規制のサンドボックス制度
サンドボックス制度は、「期間限定や参加者限定で、規制を一時的にはずして実証実験できる制度」です。AI・IoTなどのテクノロジーを使った、自動運転技術などの新サービスは、まだ法律が想定していないことが多く、大規模な社会実装を始めるのがむずかしい状況が少なくありません。
この制度を活用すれば、安全対策を整えたうえで一部の規制を保留し、試作サービスを検証できます。実証結果によっては、法律や規制が改正される可能性もあるので、革新的ビジネスをあきらめなくてもよいのが大きな特長です。
サンドボックス制度の流れ
- 実証計画をつくる
試す内容や安全確保策をまとめ、どの範囲で実験するかを明確にする。 - 関係省庁に相談して計画を調整する
経済産業省などが窓口になるケースが多く、申請書づくりをサポートしてもらえる。 - 計画が認定されると、期間限定で規制がはずれる
実証データをとり、報告する。必要に応じて規制緩和に向けた検討がスタート。
令和6年12月末の時点で31件程度の計画が認定されていると公表されており、FinTechやモビリティなど幅広い分野で実証が行われています。特に短期的な実験が必要な先端技術には、うってつけのしくみです。
規制のサンドボックス制度のメリット
- 実験しながら社会的な安全性を検証できる
- 成果が規制改革につながりやすい
- 政府・省庁との協力関係を築き、事業認知度が高まる
二つの制度のポイントまとめ
下記の表では、グレーゾーン解消制度とサンドボックス制度のちがいを簡単にまとめています。どちらも国の規制改革の一部ですが、それぞれの役割と狙いは異なります。
制度名 | 目的 | タイミング | 具体的な活用例 |
---|---|---|---|
グレーゾーン解消 | 法解釈が不明確な部分を事前にクリアにする | 新ビジネスの企画段階 | ヘルスケアや医療境界の確認など |
サンドボックス | 期間限定で規制を保留して実証し、根拠データを集める | 試作品をテストしたい段階 | AIを使った運転サービスなど |
ほんの少し三層構造に触れてみると
国が進める規制改革は、「全国単位」「地域単位」「事業者単位」という三つの層に分かれて検討が進められています。
ただし、個々の起業家や中小企業が実際に使いやすいのは、「事業者単位」のスキームです。個々の事業に合わせて調整できるのが最大の利点といえます。
全国的な規制改正や特区指定ができなくても、自社サービスだけ先に新制度を活用できるかもしれません。新規性が高く、かつ事前相談によって論点をクリアしていけば、実現しやすくなるでしょう。
この記事での重要キーワード
- 規制改革
国や自治体が定めた法律・規制を、最新の技術や社会情勢に合わせて見直す取り組みです。 - グレーゾーン解消
現行法の適用対象かどうか不透明な部分を事前照会によってはっきりさせるしくみです。 - サンドボックス
一定期間・場所・参加者を限定して規制の対象外とし、新技術を試す枠組みを指します。
FAQ
Q1. どの制度を選べばいいのかわかりません。
A. まずは、自社がどの法律にひっかかるかを洗い出してください。ルール自体があいまいならグレーゾーン解消制度、実験目的がはっきりしているならサンドボックス制度が合うケースが多いです。
Q2. 書類づくりにお金がかかりそうで心配です。
A. 相談や確認自体は無料ですが、申請書の作成を専門家に依頼するとコストが発生します。とはいえ制度をうまく使えば、不明確なリスクを減らせるため、結果的に投資効率が高まる場合もあります。
Q3. 誰でもサンドボックス制度を利用できますか。
A. 先端技術や独創的ビジネスモデルで、規制上の課題を解決したい事業者なら個人・法人を問わず利用可能です。申請時に計画をしっかり立てることがポイントになります。
Q4. 回答には本当に1か月程度で決着がつくのでしょうか。
A. 原則として1か月以内がめやすですが、調査が必要な場合は期間が延びることもあります。その際は理由を通知してもらえるため、不明なまま止まる心配は少ないです。
まとめとして、グレーゾーン解消制度は「事業内容が法律にふれるかどうか」を確認する仕組みで、サンドボックス制度は「規制を一時的に外して実験」する仕組みです。
どちらも国が公式にサポートしているため、不安を抱えたまま事業を進めるより、検討してみる価値は大いにあるでしょう。
「追加で公表されている利用の手引き」では、各種書式や事前相談の大切さも強調されています。難しく感じたら、まず事業所管省庁や専門家に相談するところから始めてください。
参考資料
- 経済産業省「産業競争力強化法に基づく事業者単位の規制改革制度」
https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/240131_sankyouhou_kiseikaikaku_gaiyou.pdf - 内閣官房「規制のサンドボックス制度」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/s-portal/regulatorysandbox.html - 経済産業省「『グレーゾーン解消制度』『規制のサンドボックス制度』『新事業特例制度』利用の手引き」
https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/
本記事をきっかけに、規制の壁を乗り越えるヒントをつかんでいただければ幸いです。独自のアイデアが、法令の不確実性によって実現できなくなるのは、とてももったいないことです。ぜひ、グレーゾーン解消制度とサンドボックス制度を賢く活用しながら、可能性に満ちたビジネスを形にしてください。
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