あなたの仕事も変わる?「インパクト」で考える事業計画の立て方
「インパクト」ってよく聞くけど、実際どういう意味? そんな風に思っていませんか? 実はビジネスの世界、特に「社会的インパクト」と呼ばれるものには、重要な意味があるんです。今回は、この「社会的インパクト」を分かりやすく解説し、あなたの仕事にも役立つ「ロジックモデル」を使った事業計画の考え方をご紹介します。
インパクトって一体何? 衝撃だけじゃない深い意味
多くの人が「インパクト」と聞くと、強い衝撃や印象をイメージするかもしれません。確かに、新しいデザインや画期的なサービスなど、私たちの心を揺さぶるものには「インパクトがある」と表現することがありますよね。
しかし、ビジネス、特に社会貢献の文脈で使われる「社会的インパクト」は少し違います。社会的インパクトとは、「経済的価値」と「社会的価値」の両方を生み出すことを意味します。新しい商品が売れるだけでなく、それが環境問題の解決に貢献したり、貧困を減らすことに繋がったりする。そんな風に、社会全体にとって良い変化を生み出すものが「社会的インパクト」を持っていると言えるでしょう。
価値を生み出す仕組み ロジックモデルの基本
社会的インパクトを理解するために、「ロジックモデル」という考え方を知っておくと便利です。ロジックモデルとは、ある活動がどのような流れで最終的なインパクトを生み出すのか、その関係性を図で表したものです。
ロジックモデルでは、まず「この事業を通じて、最終的にどんな社会的な変化を起こしたいのか?」という目標(インパクト)を設定します。そして、そのインパクトを実現するために、事業活動を通してどんな変化(アウトカム)を起こす必要があるのか、そのためにはどんな成果物(アウトプット)が必要で、どんな活動(アクティビティ)が必要で、どんな資源(インプット)を投入する必要があるのか、順を追って明確化していきます。
環境問題の解決に貢献したい場合を例に図解
これらの用語の関係性を、環境問題の解決に貢献したい場合を例に図で示してみましょう。
インパクト: 地球温暖化の抑制
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アウトカム: 環境に優しい商品の販売数増加、消費者の環境意識向上
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アウトプット: 環境に優しい新商品の開発・販売
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アクティビティ: 市場調査、商品設計、製造、プロモーション、販売
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インプット: 開発資金、人材、技術
- インパクト: 事業活動の結果として最終的に目指したい、社会全体への広範な影響や変化。この例では「地球温暖化の抑制」が該当します。
- アウトカム: 事業活動の直接的・間接的な効果や変化。目指すインパクトを実現するための中間目標となるもので、測定可能な形で表されます。タイムスパンやインパクトとの遠近で複数のステップに分解する場合もあります。この例では「環境に優しい商品の販売数増加」や「消費者の環境意識向上」などが該当します。
- アウトプット: アクティビティによって生み出される具体的な成果物やサービス。この例では「環境に優しい新商品の開発・販売」が該当します。
- アクティビティ: 投入した資源(インプット)を用いて実際に行う活動のこと。この例では「市場調査」「商品設計」「製造」「プロモーション」「販売」といった活動が考えられます。
- インプット: 事業活動に投入する資源。ヒト・モノ・カネ・情報などが該当します。この例では「開発資金」「人材」「技術」などが該当します。
このように、ロジックモデルでは、上位概念から下位概念へと、因果関係を明確にしながら整理していくことが重要です。
インパクト重視で考える! ロジックモデルで事業計画を磨く
ロジックモデルは、このように最終的な目標(インパクト)から逆算して考えることが重要です。
- 「どんなアウトカムを生み出すべきか?」
- 「そのためにはどんなアウトプットが必要か?」
- 「そのためにはどんなアクティビティが必要か?」
と考えることで、より具体的で実現性の高い事業計画を立てることができます。ロジックモデルを使うことで、これらの関係性を整理し、経済的価値と社会的価値の両方を意識した、より良い事業計画を立てることができるのです。
まとめ
社会的インパクトとは単なる衝撃ではなく、経済的価値と社会的価値を生み出すことを意味します。ロジックモデルを活用することで、その関係性を可視化し、より良い事業や活動を実現できるでしょう。
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社会的インパクトの実現に向けて
気候変動や少子高齢化といった環境・社会課題の解決は、私たち人類共通の喫緊の課題です。その解決のためには、経済的価値と社会的価値を両立させ、持続可能な社会を創造していくことが求められます。
こうした中、インパクトの実現を支援し、インパクト投資を促進するために、産官学金が連携する「インパクトコンソーシアム」が設立されました。
当事務所は、2024年9月にインパクトコンソーシアムへの入会が承認されました。今後も、社会的インパクトの実現に向けて、積極的に活動していきます。
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